光回線サービスの導入をご検討中の方で、調べてみたら下記のサービスを発見された方も多いと思います。
光回線サービス「光マッハ」。
とても速度が速そうな名前ですが、実際のところどうなのでしょうか?
「本当に速いのか?」
「名前負けしていないか?」
「安易に契約しても良いものか?」
今回は、そんな疑問にお答えいたします。
光マッハとは?
光マッハとは、株式会社セット割という会社が提供している、NURO光のOEMサービスのひとつです。
OEM(オーイーエム、英: original equipment manufacturer)は、他社ブランドの製品を製造すること、またはその企業である。 日本語では「相手先(委託者)ブランド名製造」、「納入先(委託者)商標による受託製造」などと訳される。
引用:wikipedia
OEMサービスというと難しく聞こえますが、要は「NURO光の回線を、別会社が違う名前のサービスで提供している」というものです。
「So-netの『NURO光』の回線を買い上げ、株式会社セット割が『光マッハ』と名称を変えて提供しているサービス」です。
提供エリアや最大速度2Gbpsという点はNURO光と変わりません。
しかし、光マッハは解約金が高額だったり、キャッシュバックの条件が厳しかったりと、NURO光よりも注意点の多いサービスです。
光マッハの料金プラン
光マッハには、下記の4つの料金プランがあります。
●光マッハプラン
●光マッハプラスプラン(3年定期契約)
●光マッハプラスプラン
それぞれの料金体系は下記の通りです。
光マッハプラン (2年定期契約) |
光マッハプラン | 光マッハプラスプラン (3年定期契約) |
光マッハプラスプラン | |
回線速度 | 最大2Gbps | |||
月額料金 | 4,720円 | 6,053円 | 4,980円 | 5,780円 |
契約期間 | 2年間(自動更新あり) | なし | 3年間(自動更新あり) | なし |
契約事務手数料 | 3,000円 | |||
基本工事費 | 実質無料 | 40,000円 | 実質無料 | 40,000円 |
セキュリティ | 500円 | 500円 | 無料 | 無料 |
契約解除手数料 (違約金) |
30,000円 | なし | 30,000円 | なし |
撤去工事費 | 10,000円 | 10,000円 | 20,000円 | 20,000円 |
一見すると、なかなか複雑な料金体系ですので、もう少し詳しく解説いたします。
光マッハと光マッハプラスの違いはセキュリティソフト「カペルスキー」の有無
「光マッハ」と「光マッハプラス」。
一見すると、「光マッハプラスの方が更に速度が速いの?」と思ってしまいますが、そうではありません。
光マッハプラスは、インターネットセキュリティサービス、「カペルスキー」のオプション(月額基本料金500円)がセットになっただけのプランで、回線速度最大2Gbpsは変わりません。
参照:カスペルスキー セキュリティご利用までの流れ(pdf)
また、解約時の撤去工事費として、光マッハプランが10,000円、光マッハプラスプランが20,000円と、2倍の差がありますのでご注意ください。
光マッハ・光マッハプラスの定期契約には契約期間と違約金30,000円がある
光マッハプラン(2年定期契約)は、契約期間が2年間で、この期間に解約すると、契約解除手数料(違約金)が30,000円かかります。
また、光マッハプラスプラン(3年定期契約)は、契約期間が3年間で、この期間に解約すると、契約解除手数料(違約金)が30,000円かかります。
光マッハ・光マッハプラスの定期契約なしは、基本工事費が40,000円もかかってしまう
光マッハプラン(2年定期契約)と光マッハプラスプラン(3年定期契約)は、契約期間と契約解除手数料(違約金)がある代わりに工事費が実質無料です。
対して、契約期間なしの光マッハプランと光マッハプラスプランは、契約期間と契約解除手数料(違約金)がない代わりに工事費が40,000円もかかってしまいます。
月額料金 | 工事費 | 月額料金総額 | |
光マッハプラン (2年定期契約) |
4,720円 | 実質無料 | 4,720円 |
光マッハプラン | 4,720円 | 40,000円 (1,333円×30か月) |
6,053円 (4,720円+1,333円) |
光マッハプラスプラン (3年定期契約) |
4,980円 | 実質無料 | 4,980円 |
光マッハプラスプラン | 4,980円 | 40,000円 (800円×50か月) |
5,780円 (4,980円+800円) |
工事費は一括払いではなく、40,000円を分割して、月額料金に合算して支払うことになります。
月額4,720円+工事費分割1,333円(30か月)=月額料金総額6,053円
月額4,980円+工事費分割800円(50か月)=月額料金総額5,780円
しかも、解約時に工事費の残債がある場合は、一括で支払わなくてはなりません。
「定期契約なし」と謳ってはいますが、解約時の工事費残債一括払いのリスクを考えると、実質「30か月縛り」「50か月縛り」とお考えになった方が安全です。
光マッハの料金プラン4つ、どれを選ぶべきか?
光マッハは工事費が40,000円とかなり割高で、解約時には残債を一括払いしなくてはなりません。
光マッハの料金プランは、工事費実質無料の定期契約、月々4,720円の光マッハプラン(2年定期契約)か、セキュリティ付きで月々4,980円の光マッハプラスプラン(3年定期契約)を選ぶと良いでしょう。
光マッハとNURO光の比較
OEMサービスの光マッハと、本家のNURO光はどちらがお得なのでしょうか。
それぞれスタンダードな「光マッハプラン(2年定期契約)」と、「NURO光 G2 V(2年定期契約)」のプランで比較します。
NURO光 |
||
プラン名 | 光マッハプラン (2年定期契約) |
NURO光 G2 V (2年定期契約) |
回線速度 | 最大2Gbps | |
月額料金 | 4,720円 | 4,743円 |
契約期間 | 2年間(自動更新あり) | |
契約事務手数料 | 3,000円 | |
基本工事費 | 実質無料 | |
契約解除手数料 (違約金) |
30,000円 | 9,500円 |
回線速度は同じ最大2Gbps
光マッハとNURO光の回線速度は、どちらも最大2Gbpsです。
ドコモ光やauひかり、SoftBank光などの多くのプランが最大1Gbpsなのに対して、約2倍の最大通信速度となりますので、回線速度には期待できます。
提供エリアは同じ、提供エリア限定

出典:https://www.nuro.jp/hikari/
光マッハもNURO光も、提供エリアは同じです。
北海道エリア | |
関東エリア | 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県 |
東海エリア | 愛知県、静岡県、岐阜県、三重県 |
関西エリア | 大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県 |
九州エリア | 福岡県、佐賀県 |
光マッハもNURO光も、まだ提供エリアが限定されているサービスです。
現在の住所でNURO光が使えるかどうかは、公式サイトのNUROのご利用エリア検索から確認できます。
「お申込みいただけません」と判定が出た場合は、残念ながら別の光回線サービスをご検討いただくことになります。
光回線サービスの多くは、スマホとのセット割がありますので、光回線とご利用中のスマホのキャリアを合わせて申し込むとお得です。
スマホ | 回線 | おすすめ申込窓口 |
ドコモ | ドコモ光 | GMOとくとくBB キャンペーンサイト |
au | auひかり | auひかり おすすめ申込窓口 |
SoftBank | SoftBank光 | SoftBankユーザーへのおすすめインターネット |
月額料金はほとんど変わらない、23円だけ
光マッハが4,720円、NURO光が4,743円と、月額料金の差は23円だけです。
戸建ての場合は、それほど気にする必要のない差額です。
NURO光 for マンションは月額1,900円~2,500円

出典:https://www.nuro.jp/mansion/price/#
ただし、NURO光は、光マッハにはない、「NURO光 for マンション」という、集合住宅向けの安価なプランがあります。
月額料金は、同一建物内での契約者数によって、1,900円~2,500円と変動します。
マンションにお住まいの方は、事前に「NURO光 for マンション提供状況確認」で調べていただき、提供可能であればNURO光 for マンションをご契約いただくとかなり安くご利用できます。
ONU(回線終端装置)も同じ
ONUとは、光信号をデジタル信号に変換する機器のことで、光回線のインターネット接続をする際に必ず必要となるものです。
光マッハもNURO光も、無線LANルーター機能付きのONUが無料レンタルされます。
機種 | 最大通信速度 | 無線LAN規格 |
ZXHN F660T | 450Mbps | IEEE 802.11a/b/g/n |
HG8045j | ||
HG8045D | ||
ZXHN F660A | 1,300Mbps | IEEE 802.11a/b/g/n/ac |
HG8045Q | ||
FG4023B |
希望するONUの機種選択はできません。どのONUが設置されるかは、ランダムで決まります。
「OEMの光マッハだから遅い、本家のNURO光だから速い」という訳ではなく、ランダムで設置されるONUのスペックによって、450Mbps or 1,300Mbpsと、最大通信速度に約3倍の差があります。
もし低スペックのONUを設置されて速度にご不満な場合は、一度テクニカルセンターへお電話いただき、無料交換するのがおすすめです。
※受付 9:00〜21:00
SoftBankのおうち割光セットが適用可能

出典:https://www.softbank.jp/mobile/campaigns/list/ouchiwari-hikari/
光マッハとNURO光は、どちらも「NURO光でんわ」のオプションに加入すると、
SoftBankのおうち割光セットが適用可能です。
これにより、SoftBankユーザーなら携帯電話料金が毎月最大1,000円割引されます。
固定電話をご利用中の方や、SoftBankユーザーのご家族が多い方にはお得なサービスです。
参照:光(ひかり)電話サービス NURO 光 でんわ
参照:おうち割 光セット | スマートフォン・携帯電話 | ソフトバンク
光マッハの注意点
●引っ越し手続きができない
●契約解除手数料(違約金)が高い
光マッハはキャッシュバックの条件が厳しい
光マッハとNURO光は、どちらも45,000円のキャッシュバックを実施しております。
キャッシュバックの適用条件として、NURO光がネット契約のみで受け取れるのに対し、光マッハはネット契約+6つのオプション加入をしないと、キャッシュバックが受け取れません。
プラン名 | 月額料金 | キャッシュバック | オプション加入 | |
光マッハプラン (2年定期契約) |
4,720円 | 45,000円 | 6つのオプション加入必須 | |
NURO光 |
NURO光 G2 V (2年定期契約) |
4,743円 | 不要 |
光マッハの「最大85,000円還元!」は本当?

光マッハの公式サイトでは、「最大85,000円還元!」と明記されております。
一見、お得なサービスのように見えますが、実質の還元はNURO光と変わりません。
●工事費40,000円分実質無料
キャッシュバック45,000円は、光マッハもNURO光も共通です。
工事費40,000円分実質無料は、NURO光も基本キャンペーンとして適用されます。
NURO光がオプション不要でキャンペーン適用になるのに対して、光マッハは下記の6つのオプションに加入しないとキャンペーンが受けられません。
●光でんわ:500円
●いつでもかけつけ365:500円
●キキホショプラス:500円
●らくらくバックアップ:500円
●つながるWi-Fi :980円
●ベーシックパック:記載なし
光マッハは上記6つのオプションすべてに加入しないとキャンペーンが受けられません。
すべて加入すると毎月3,000円以上かかってしまいます。
毎月の料金を考えると、オプション不要のNURO光のほうがお得です。
光マッハは引っ越し手続きができない
多くの光回線サービスでは、引っ越し後も継続して同じサービスを利用する場合、「移転」として扱われ、契約解除手数料(違約金)や工事費がかからないことがほとんどです。
残念ながら、光マッハでは「移転」ができません。
現住所で「解約」した後、引っ越し先で「新規契約」をしなくてはならないので、高額な解約費用がかかってしまう可能性が高いです。
NURO光を引っ越しする際は、契約解除手数料(違約金)、工事費残債、契約事務手数料が免除になるサービスがありますので、その点ではNURO光の方がおすすめです。
光マッハは契約解除手数料(違約金)が高い
光マッハもNURO光も、契約期間のあるプランの場合、契約月以外で解約すると、契約解除手数料(違約金)が発生します。
ただ、光マッハは契約解除手数料(違約金)30,000円と、他の光回線サービスと比較しても非常に高価に設定されております。
NURO光と比較しても3倍以上の差額があります。
解約時のリスクを考えますと、やはりNURO光のほうが安心です。
光マッハはNURO光と同じ最大2Gbpsの高速インターネットサービスで、回線速度には期待ができます。
ですが、光マッハは、キャッシュバックを受け取るのに6つのオプション加入必須ですとか、契約解除手数料(違約金)が30,000円と非常に高価なこともあり、正直NURO光よりも優れた点は見当たりません。
光マッハをご検討中の方は、是非ともNURO光をご検討ください。
おそらく、月額料金もキャシュバックも、光マッハよりもお得なサービスが見つかると思います。
今後も皆様が快適なインターネットサービスをご利用いただけるよう、微力ながら執筆いたします。
お読みいただきありがとうございました。
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